1歳を過ぎる頃になると、人やモノに噛み付く子がでてきます。
ご自身のお子様にも噛み付き癖がついてしまい、
困っているママもいらっしゃるのではないでしょうか。
まだ言葉をうまく話すことのできない我が子が
人やモノに噛み付くことが頻繁になると心配になりますよね。
また子供がどのような気持ちで「噛む」行為をしているのか分からないため
ママはとてもショックを受けだと思います。
子供の噛み付きが始まる時期には1歳前後と2歳前後があり、
同じ噛み付きでも中身が大きく異なるため、原因と対策が変わってきます。
そこで今回は、特に1歳前後の噛み付きについて
その原因と対策を見ていきたいと思います。
子供が噛む!叩く!なぜ止めないの?原因は愛情不足って本当⁉︎

先述しました通り噛み付きには時期があり、
特に1歳前後頃は一過性のものだと言われています。
期間はお子様によってそれぞれ違ってきますが、
この頃の噛みつきは長く続かない子が多いです。
そのため、現在お子様の噛み付きに悩んでいるママには安心してほしいと思います。
時間が経てば落ち着いてきますし、今はその時期なんだと受け入れてもらい、
対策を見ていきながら少しでも噛むことについて理解を深めていきましょう。
それでは「噛む」行為の理由について、いくつか見ていきたいと思います。
【愛情表現】
1歳前後の噛み付きの原因は、意外にも愛情表現であることが多いようです。
ママやパパが我が子の可愛さのあまり抱きしめたり、頬にキスをするように、
子供も人やモノに対してかわいい・好きと思った時にガブッと噛んでしまう子がいます。
このタイプで噛み付きをしている子は、
自分よりも幼い子・あるいは家族に対してこのような行為をしている事が多いです。
《対策》
なるべくお子様が噛もうとした時(直前)にしっかりと目を見て一言「ダメ」と言いましょう。
怒った顔・低い声で言うと
「やってはいけないことなんだ」とお子様も理解しやすいですよ。
また、噛む以外の表現方法を教えてあげましょう。
「ダメ」と言った後はあまりダラダラと叱らず、「(ガブは痛いから)ガブじゃなくてギューしようね」と言いながら抱きしめたり、「(ガブは痛いから)ガブじゃなくてよしよしするんだよ」と言って頭を撫でてあげたりするのも良いですね。
【歯の生え始めの時期で、むず痒さを感じている】
歯が生えてくる時期にも、人やモノを噛む子がいます。
歯が生える時は歯茎がむず痒くなり、何かを噛みたくなるのが原因です。
むず痒い時期が終わると噛まなくなりますが、
次の歯が生える時にはまた、噛むようになってしまうこともあります。
《対策》
まずは歯の生え始めで噛みつきをしてしまうことは
仕方のないことだと受け入れてあげてください。
その上で、噛む練習にもなる歯固め用の玩具を与えたり、歯茎のマッサージ、冷蔵庫で冷やした果物やおしぼりを口に含ませるとその不快感を解消することができるようですよ。
【噛んだ時の親や周囲の反応を楽しんでいる】
噛み癖がある子は、噛んだ時の周囲の反応を楽しんでいるという事があります。
特に原因もなく、親や兄弟に噛み付く子はこのタイプが多いようです。
1歳くらいのお子様にとって、噛んだ後の「イタイ!」という高い声を出して反応する大きなリアクションは、痛くて嫌なのではなく「楽しく遊んでいる・嬉しがっている」と受け取ってしまうのです。
例えば「いない、いない、ばあ!」の「ばあ!」の大きな声のアクションと同列に感じているのでしょうね。
このタイプの子は噛んだ後もニコニコ笑っていることが多く、
悪気がなく「遊びとして噛む」ことを楽しんでいることが多いです。
《対策》
愛情表現として噛むお子様と同様に、
なるべく噛む直前に怒った顔・低い声で「ダメ」と一言いいましょう。
子どもには噛むことが悪いことだという認識がありません。
また「噛む=嬉しい」を「噛む=痛い」と教えてあげるためにも、「ガブすると痛いんだよ(悲しい顔・泣いている仕草)」と伝えてみるのも良いでしょうね。
【関わり方が分からない・スキンシップ】
うまく言葉を話せないのこの時期の子は、お友達や両親に挨拶のつもりで噛み付いたり、楽しさを表現するために噛み付いてしまったり…。
意思表示をしたいという思いに発語が追いつかず、
「噛む」ことで感情を表していることがありますよ。
《対策》
相手を噛もうとする様子を見せたら「ダメ」と言いやってはいけないことだと教えつつ、
子どもがどうして噛んでしまったのかを代弁してあげることが大切です。
例えば、「〇〇ちゃんと一緒に遊べて楽しかったんだよね、でも噛んだら(ガブしたら)△△ちゃんが痛いから、〇〇しようね」など、子どもの気持ちを理解し、寄り添いながら「噛まれた相手の気持ちも伝える」ようにしましょう。
このように「噛む」ことにも様々な理由がありますが、
対象が人の場合は特に早めにやめさせなければいけませんよね。
噛まれた後に気が付いて「ダメでしょ!」と叱っても子どもには何が悪かったのか・何に対して怒られているのか理解ができませんので、子ども同士で遊ばせる時は目を離さず、噛もうとしているその時に「ダメ」と伝え、やめさせることがより効果的です。
また、噛むという行為をするのは
愛情が不足しているからだと指摘されることがあります。
しかし、上記の理由から考えてみても愛情不足が原因ではなく、むしろ家族や周囲との関わりの中で湧き起こる嬉しさや楽しさといった感情を相手に伝えようとする行為だと考えられます。
しかし好意的な感情の表現方法だとしても、
もちろん誰かを「噛む」ことは決して良いことではありません。
ですので、噛むことはいけないことだと伝えつつ、うまく言葉を話すことのできない子どもが唯一体を使って表現できる方法なのだと、理解し受け入れてほしいと思います。
人もモノも噛む1歳児…何を言っても聞かない!どうすればいい?

これまでも見てきました通り、噛むことを繰り返してしまう子には
注意をする必要がありますし、やめさせなければなりません。
放っておいてもいつか終わる日が来るとは思いますが、
それまでに我が子に噛まれて嫌な思いをする人を増やしたくありませんよね。
しかしながら、「噛んではいけない」という注意になかなか耳を貸さず、
自分の思うようにその行為をやり続けてしまう子も少なからずいるはずです。
その時には、ママややパパあるいは周囲の
「注意・叱る方法」について見直す必要があるかもしれません。
子どもを育てていく中で「叱る」ということは避けては通れない道です。
その中で、叱った後は表面的には親の言うことに従っているように見えていても、
実は子どもの心を傷つけていたり、反発心を芽生えさせていることがあります。
そこで、やめた方が良い叱り方についていくつか見ていきたいと思います。
【悪いことをした時に子どもに同じことを体験させる・悪い手本をやって見せる】
例えば我が子がお友達の玩具を奪い取ろうとしたり、
親やお友達と一緒に遊んでいる時、腕などに噛み付いたとします。
その時に噛まれた相手がどれほど痛いのかを本人に理解させるために「こうすると痛いでしょ」と言って、いきなり子どものやったことと同じように、子どもを噛んで見せるとします。
そうすると子どもは「なぜママが自分の手を噛むのだろう?」
と混乱してしまうのと同時にショックを受けてしまいます。
自分の絶対的な味方であるはずの親から、自分が悪いことをやったとはいえ(本人は悪いことだと分かっていない)、攻撃されたと感じることで心に傷を受けてしまいます。
また、親がこのような行為を子どもにやってしまうことでかえって悪い手本となってしまい、親の目の届かないところで自分より力の弱い子や幼い子に対して同じことをしてしまうので、この叱り方は止めた方が良いでしょう。
【原因を激しく追求・問いただす】
お友達を噛んだり叩く我が子を見て、我慢できなくなり
「どうしてそんなことするの!」と激しい口調になってしまうことってありませんか?
言葉が追いつかないために噛んだり叩くという行為が咄嗟に出てきてしまっている子どもに、「なぜ噛んだのか・なぜ叩いたのか」という理由を説明することはできません。
言葉にできなくても本人の心の中に「お友だちの玩具を使ってみたかった」「自分の玩具を勝手に取られてやめてと言いたかった」という何かしらの理由はあるかもしれませんが。
親の方が激昂して「どうして!」「なんで!」
と言い子どもに激しく詰め寄るのは止めましょう。
このような時はまず一呼吸、そして子どもがどうして噛んだ・叩いたのかの状況をなるべく理解し共感して、「こうすれば良い」という手段を教えてあげましょう。
「〇〇したかったんだね」「噛むのはいけないことだから貸して・ちょうだいって言おうね」など、言葉で教えてあげることが大切です。
【無理やりごめんねと言わせる】
子どもたち同士で遊んでいると、会話のコミュニケーションなしに
相手の玩具を使ったり奪い取ったりするという場面は多く見受けられます。
自分の物を取られてしまった子はもちろん嫌な思いをしますが、そこで見ていたママが親同士の関係のために「ごめんねは?」「どうぞは?」と介入し無理やり謝らせたりするのはやめた方が良いようです。
とにかく謝らせようという親の勝手な思いが、子どもに「とりあえず謝れば、
その場を逃れることができる」という悪い学習の機会を与えているかもしれません。
そして、当人たちが納得していないまま形式的に謝罪をしたり仲直りをしても、
すぐに同じことを繰り返してしまうので意味がありません。
【叩く・怒鳴る】
子どもを叩いたり怒鳴ったりすれば、その場ではとりあえず言うことを聞きます。
しかし、このような叱り方をして子どもが
理解してくれると思っているのは大きな間違いでしょう。
子どもは痛みや恐怖から親の言うことを聞きますが、根本的な解決には繋がりません。
それどころか、力に頼る親の姿がどんどんインプットされてしまい「相手をねじ伏せるためには暴力を振るえばいい」と間違った学習をしてしまいますので注意が必要です。
親が繰り返し叩いたり怒鳴ったりしていると、目の届かないところで自分より幼い子や動物に対して同じことをしている可能性もありますし、将来、親の背を超える頃になって子どもから暴力を振るわれる可能性にも繋がってしまいます。
他にも、「後でパパが帰ってきたら言うからね」などと言ってその場にいなかった人に注意させたり、「何回注意したらわかるの!・いつも言ってるでしょ!」などの過去の行為を持ち出して非難したりするなど、子どもにとって「自分の力ではどうにもできないようにする」状況を作ることは良くありません。
とにかく「今」やってしまったことに対して向き合い、叱ることが大切ですし、
子どももその方が悪いことだったんだと理解してくれるでしょう。
まとめ
躾は「言って聞かせる」「納得させる」が基本です。
どんなに小さなお子様でも、
親が真剣な目・表情でしっかり話して伝えればちゃんと理解してくれます。
何度も言い聞かせているのに言うことを聞いてくれなくて、
ついに怒りが爆発…!することもありますよね。
ですが、ここは冷静になり、
子どもと目線合わせしっかりと言い聞かせてあげてください。
また、躾というものは急に始めても身につくものではありません。
お子様がまだまだ小さくでも、なるべく早い時期から繰り返し教えることで覚え、
身についていきますので親も根気強く見守り、付き合っていきましょう。